就活して研究完了報告書を書いて研究計画書書いてたら4月が終わった…長かったなぁ
私は3月に内定もらい、これから待ちに待ったのびのび研究生活である。
しかしそんな研究生活が始まるやいなや私を襲ったのは胃腸炎であった。
教授に会った日は38度代の熱を出していた。どうりで研究指導してもらってた内容を覚えていないのだ(言い訳
数日前からすごくお寿司が食べたいが、しばらくはおあずけになりそうだ。
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今日は農文協のシリーズ「地域の再生」から、「水田活用新時代」の感想を書く。
なぜこの本を手に取ったか。
図書館にいって水田の活用関連の本を探していたのだ。放牧の話も含まれていて最近の関心に近かった。
5年間、地域の取り組み事例を散々調べてきたわけだが、結局は人手がなければ全部できない。しかし、私がのほほんと研究しているのをよそに過疎化は許可なく進み続け、研究の成果を超自慢げに発表した暁には「人がおらんけんできん」と言われる始末である。
もう関係人口でも誰でもいい。何があれば人が農山村にくるのか。
思い浮かんだのは、みんな大好き「田園風景」だ。
日本にごまんとある農山村。
選ばれるとすれば耕作放棄地の少ない、きれいな景観のところではないか。観光面でもそうだし、まさか耕作放棄地をみて「よぅうっし!農業を始めよう!」なんて気合いが入ってしまうような人はいないだろう。
実際、農業遺産に登録されている地域には、多様な人材が集まりつつあるようだ。論文も結構ある。
人間と同じく、地域も守りたいと思えるものを持ったとき、力を発揮するのかもしれない。
(農村の研究者である小田切先生の「誇りの空洞化」は本当に存在すると思っている)
そこで、耕作放棄地をなるべく地球環境と地域経済に優しい方法で活用できないか、ということを調べていたところ、ちょうどこの本に当たった。
2010年の本なので、今とは少し状況が異なるが、著者の主張でなるほどと思ったことは次のような部分だ。
●食糧や飼料の価格高騰は、単に気候変動による収量の変化によるだけでなく、中国が人口予測などに基づいて在庫を調整するなどの複雑な情勢によっても起こりうる。
●日本人の食生活は植物性タンパクから動物性タンパク質にシフトしてきているが、飼料はもっぱら輸入に頼るため、食糧自給率は低い。
●日本では、小麦などを安定して栽培するのが難しいので、安定してとれるお米の栽培を続けた方がいいし、拡大の余地はある。
→以上より、日本では飼料用のお米の栽培を増やすべきである
●食糧自給率を本格的に向上させるには、米+麦・大豆の二毛作にして、周年で農業経営をできるようにすることで、従業員を雇う大規模経営を実現させることが有効である。
●麦や大豆は生産量や品質に対応した助成がなされておらず、市場価格が高騰しても作付面積が増えない構造となっており、加工業者のニーズにマッチしないことから、国産の麦大豆を使う業者が少ない。
→コミュニティビジネスにより、米麦大豆の6次産業化を目指すべき
●飼料米+麦大豆の二毛作と放牧による除草は相性がよい。生態系を崩さず収量を増やせる。
●特に畜産農家の労働負担の軽減、経済的負担の軽減につながる。島根では高齢の畜産農家の間で取り入れられている。
●放牧や堆肥作りを地域ぐるみで行うとなおよし。
●放牧は牛が溝にはまって死んでしまうなどリスクがあることが課題。
放牧はいいなぁ。こんなにメリットが多いのになんで広まってないのか。いや、知らないだけでみんなこっそりやってるのかも。有機みたいに認証制度もないしね。
これから放牧の効果について調べて、研究の道筋を立てようと思う。
その前に寿司が食いたい。