芦田愛菜ちゃんの「まなの本棚」で、まなちゃんと作家の辻村深月さんがスペシャル対談をしている様子が掲載されていた。
辻村さんの作品のつくり方やまなちゃんの役作りについて深堀されていて感激だった(語彙力)
それにしてもまなちゃんの核心をついたコメントには毎度驚かされる。(語彙力)
まなちゃんの本を読んで、生まれてはじめて「小説を読んでみたい」と思った。
人の心を動かすことができるってほんまにすごいことだと思う。
一方で、人そのものを動かすことも一筋縄ではいかないようだ。
2010年代に活発に行われた移民の議論は、いまだ決着がついていない。
ベンジャミン・パウエル編著の「移民の経済学」は、各章を異なる研究者が担当し、厚生経済学、財政、文化、グローバル化など様々な視点から移民が世界にもたらす影響を論じている。
テレビなどの議論では、移民が移民先の国の社会保障を食いつぶすとか、雇用を奪っていくとか、そういった議論がなされることが多い。
そうした現象は現に起こりうるし、腑に落ちる説明のように思われる。
しかし、それはいったいどんなエビデンスに基づいた主張なのだろうか。
この本を読めば、上記のような主張に対して、どうして疑うことなく過ごしてきたのだろうという後悔のようなものが湧き上がってくる。
多くの研究論文で、「移民は世界の経済にプラスの影響をもたらす」ということや、「移民は財政赤字を減少させる」、「移民によって賃金の下落はもたらされない」といった分析結果が発表されているというのだ。
もちろん、それらの分析は計量的に行われている実証研究が多いため、あくまで設定されたモデルを前提とした結果に過ぎない。実体経済との乖離は少なからずある。
しかし、イメージだけで議論をすることがどれだけ無意味なことか。
なんなら、移民を受け入れないことで私たちは損をしている可能性だってある。
この本はそうしたシミュレーション分析のみならず、その政策的含意を引き出すことにも重点を置いている。
ただし、全体的にかなりぶっとんだ政策提案が多かったと感じた。
例えば、ビザを割り当てる際に価格付けをするという提案や、完全に自由な国境開放を行うといったものだ。
さすがに…こーれは…むりでしょっw
考える材料としてはすごくいいとは思いますけども。
ともかく、移民に関してはあらゆる要素に不確実性が伴うので、なかなか議論もしづらいし、一歩踏み出す勇気が出ないという側面があるのかなという感想を持った。
実際、各章を担当する専門家らの間で、主張はずいぶん異なっているように思う。
いろんな意見を知ることができるという面でもこの本は読む価値があるだろう。
先週、政策決定は専門家が全面的に担うべきだと、かたくなに主張していたゼミ生は、今回の本を読んでもなお、その考え方は変わらなかったのだろうか。